近距離ロマンス




わかってたよ。でも期待してたんだよ。




「友達のままで…ね?わかってるよ。わかってるよ…」



まるで自分に言い聞かせているみたいだ。



「わかってる…。うん。わかってるから!あたし、今日は先に帰る…っ」




松本をすり抜けて、自分の家まで走った。

振り返ることなく走った。


松本は追いかけてくることない。

わかってるよ、わかってるよ。友達だってことくらい。