「まだ俺を好き、とか言うわけじゃあるまいし」 ズキンとドキンがいっしょになってあたしに降りかかる。 あたしの体が硬くなって、動けない。 「え。まじ」 「松本はアホだ」 さっきのあたしよりアホだ。 くずしたくない関係。 今みたいにそばにいたいひと。 それなのに。 やっと動くことのできたあたしは、数歩はなれてうつむいた。 下唇をかみしめて、こぶしをぎゅっと握り締めて。 松本の反応を待っている。