近距離ロマンス



「え」


「今。言ってみなよ」




松本さま…+°とあたしは手を合わせたくなった。


Sだけど、意地悪だけど。
……優しんだ。



「えっと、もの?」


「そう、物」




あたしはうーんと、悩んでいるポーズをとった。

額に手を当ててその腕を支えるように、下にもう片方の腕を持っていった。


今あたしは何がほしい?




「あ……」




だめだ。こんなの。


あたしは今頭の中にあった考えを消した。