近距離ロマンス



それから、あたしの髪をかき混ぜた。




「ほれ、行くぞ」





ちょうどあたしの手首をつかんで、走り出す。






ねぇ、松本。



あんたがそうするたび、あたしがどきどきしてるの知ってる?



あきらめきれなくて、逆に大きくなる想いがあるってこと、知ってる?



まだ好きなんだって、わかってる?





わかってて、こんなことするの。


やっぱり、友達だから。だよね。