近距離ロマンス



深夜の勉強中も、眠ってしまえばどんなに楽か、って何度思ったことか。




でもさ、でもさ。テストが終われば、今日が終わればあとは楽園なんだよ。



松本の時間も、ちょっぴりだけど、あたしのものになるんだよ。






「ま、がんばれや」







あたしの頭に手を置いて、軽くバウンドさせた。



それから髪をぐしゃぐしゃにして、席につく。



松本はスパルタだったけど、何度も何度もあたしをはげましてくれた。



あの手で何度頭をなでられただろう。



そのたびにあたしは好きなんだって、実感した。


あきらめきれるものじゃないって、わかった。