近距離ロマンス



松本は誇らしげにそう言うと、あたしのとなりの席に座った。


前に座っている二人は、いちおうこらえて笑っている。





「どうぞ。もう笑ってください…」




力なくそう言ったら、二人は思い切り笑った。


むかつきながらも、もう何か言う気力は残っていない。



ハァ、とため息をついた。




「どれどれ」




と、松本はあたしが今やっていた問題を見た。


それを横目で見て、あたしはさらにため息をついた。





「あたしをバカにするギャラリーに、松本も加わってるよ…」



「こんなとこ間違ってんの?馬鹿じゃん」



「すいませんねぇ。バカで」



「ケアレスミスばっかじゃん。もう馬鹿だな」



「そそっかしいって、言いたいの?」


「教えてやるって、言ってんだけど?」


「はいそーですか、って…え?」




耳を疑った。