近距離ロマンス



由宇ちゃんは、あたしの悩みに乗ってくれるし、ちゃんと相談し合える仲だ。



あたしが松本のこと好きって、知ってる。


隠してる想い?――まさかね。




「昂汰くん注目の的」



いやいや、あんたも十分注目されてますって。



あたしがこう思ったのは、何も知らないから。わからないから、なんだ。




「~~っ!松本なんか置いて、行こっ」




由宇ちゃんはあたしの腕を組んで、ずんずんと歩き出した。


あたしは由宇ちゃんと松本を交互に見て




「松本は?」


「知らないっ」



松本は由宇ちゃんの機嫌を損ねたようだ。


何がなんだか、わからないけど。