近距離ロマンス



でも。




「そっか、そうなんだ。よかったね…」


「きっと、今までみたいに…。いや、今まで以上に楽しいよ」


「そ…っか」



ひとごとだけど、うれしくて、頬を緩ませていると。


「で?」と、なんとなくいつもの松本口調になったような気がして、肩の力を入れた。



顔を上げると、なんというかやっぱりというか、いつもの松本がそこにいた。

にんまりと口角を上げて、あたしを映している。




「聞かせろよ。梅澤の返事」



ベッドに座っているだけだった松本が、あたしに顔を近づける。顔はにやにや。

さっきの顔はどこいったー!

なんて思いながら、いつのまにか吹き飛んだ涙が、冷や汗に変わった気がする。



熱くなった顔を必死にそらそうと、がんばる。



松本はいつのまにかしっかりベッドに座っていて、あたしの体のわきに手をついている。


そしてその片手で頬をはさまれて、松本のほうを向かされた。