「……」
昂汰に口を滑らせてしまった。
ふたをしめていたものが今にも溢れ出しそうだ。
□■□■
しばらく尾行して、いろいろ巡って、もう夕方だ。
やっと帰ることになったらしい例の2人は、家への帰り道を歩き始めた。
近所だって言ってたもんな。方向はそりゃいっしょか。
「あれはそのまま家に行っちゃいますね!」
「石田先輩はヤリテだって言ってましたからね。咲良さんもメロメロでしょう」
…………。
さっきからイライラさせられているのが、こいつら2人の言葉。
話しているのは梅澤とその相手の先輩のこと。
俺はスタスタとこの2人を置いて歩いている。

