近距離ロマンス





「……」




昂汰に口を滑らせてしまった。


ふたをしめていたものが今にも溢れ出しそうだ。








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しばらく尾行して、いろいろ巡って、もう夕方だ。


やっと帰ることになったらしい例の2人は、家への帰り道を歩き始めた。




近所だって言ってたもんな。方向はそりゃいっしょか。





「あれはそのまま家に行っちゃいますね!」


「石田先輩はヤリテだって言ってましたからね。咲良さんもメロメロでしょう」






…………。


さっきからイライラさせられているのが、こいつら2人の言葉。



話しているのは梅澤とその相手の先輩のこと。



俺はスタスタとこの2人を置いて歩いている。