近距離ロマンス




バイト先での石田先輩は人気者っぽかった。


水を渡すたび喋ったり、注文を取るたび喋ったり。

みんながみんな、笑っていた。



あたしをニヤニヤ見て、石田先輩を小突いたりもしていた。





あたしは苦笑いをしてため息をついた。



松本たちは、今日なにをしてるんだろ…。





***松本くん目線




「こんなことしなくても、ばれねぇと思うぜ」






俺はサングラスを持ち上げて、身を乗り出してまで例の2人を凝視している由宇を見た。



ピンクでハートのサングラスで、これまた派手な帽子を被っている由宇さん。


ぜったい、そっちのが目立つって…。