7月中旬。 もうすぐ夏休み。 みんな少し浮かれ気味だが、私は少し焦っていた。 三者面談は、明後日だ。 まだ進路調査表は空欄のままだった。 "焦ることはない。いつかきっと夢が見つかる" 椎名くんの言葉が過って、少しだけ落ち着いた。 彼の背中を見つめた。 相変わらず、授業中は上の空だ。 7月になってから、全くと言っていいほど、話さなくなった。 それどころか、目すら合わせてくれない。 なんかずっとモヤモヤしてるから、いっそう席替えして欲しいくらいだった。