彼のそんな目を見ると、言葉が詰まってしまう。 「なに?」 「えっと…バスケ惜しかったね。椎名くん良いアシストたくさんしてたのに」 「俺なんていつもこんなもんだよ。 俺が敵うはずがない…」 「え?」 椎名くんが言った語尾が小声になったから、上手く聞き取れなかった。 「いや、なんでもない」 そう言って、椎名くんは立ち去った。 私は、そんな彼の背中を見えなくなるまで見つめ続けた。 そんな私をじっと見ている千秋くんの視線にも気づかずに…。