見つめていたのは時間にして、2、3秒くらいだろうか? でも、私にとってはもっと長く感じた。 「椎名!試合始めるぞ」 その時、クラスの男子に椎名くんが呼ばれて、私も我に返った。 「椎名くんも試合出るの?」 「…うん」 「そっか。がんばって」 「ありがとう」 椎名くんはそう言って、友達のところに駆け寄っていった。 椎名くんと話したのは、久しぶりだった。