校門を出た辺りで、僕はハッとして立ち止まった。 どうして千秋くんは、僕が遠野さんの下駄箱を探していたと思ったんだろうか? でも、答えは簡単だった。 彼も僕と同じ気持ちだからだろう。 そう思うと余計に辛くなった。 千秋くんに敵うはずがない。 僕と違って、頭も運動神経も良くて、愛想も良く、誰からも好かれてしまう彼に、 僕が敵うはずがない…。