恥ずかしそうに笑う遠野さんと、なぜか僕の席に座っている千秋くん。 千秋くんが、遠野さんの髪を触っている。 僕は、目を覆いたくなる光景に、教室には入らず、そのまま廊下の角に腰を下ろした。 すると、僕には気づかないまま、遠野さんが教室からトイレへと向かった姿が見えた。 彼女の背中を見つめ、僕は、独り言のようにただ小さく呟いた。 「分かってる。君に僕は似合わない」