翌日、遠野さんが僕のために、お弁当を作ってくれた。
すごく嬉しかったけど、少しだけ複雑だった。
僕のために、どうしてそこまでしてくれるのだろうか?
僕なんかの為に…。
それに、心配だった。
彼女が変な噂を立てられないか。
君には、笑ってて欲しい。
僕なんかのせいで、悲しませたくない。
これ以上、親しくしてたらダメだ。
今日で終わりにしよう。
そう心に決めて、お弁当箱をバックに直して、教室へと向かった。
だが、教室のドアの前で、僕は立ち止まってしまった。
その光景を見た瞬間、僕の心には大きな穴が開いた。

