その日の放課後。
僕は、健児といつものように帰っていた。
今日の空は、雲ひとつないから、きっと夕日が綺麗なんだろうなー
空を見つめると、なぜか遠野さんの顔が浮かんだ。
この夕日を2人で見たい。
なぜか、そう思った。
確か、まだ教室に残っていた気がする…。
「健児、ごめん。忘れ物したから先に帰って」
僕はふと、校門に行く前に足を止めて、健児にそう言うと教室が見える場所に移動した。
居た。
窓際の席だからはっきり見えた。
進路のことで悩んでいるのか、頭を抱え込んでいる。
僕は、気が付けば教室へと引き返していた。

