6月末。
進路調査表が配られた。
僕は、子供の頃から夢みていたものがある。
宇宙飛行士。
子供の頃、星の図鑑が宝物だった。
いつかテレビで見た宇宙飛行士が、宇宙から地球を見てる映像を鮮明に憶えていて、それは僕の憧れだった。
僕の存在なんて、宇宙から見ればちっぽけ。
空を見上げて、その先にある宇宙を思うと、心が弾む。
小学校の文集にも、将来の夢は宇宙飛行士と書いた。
そしてその夢は、高校生になった今でも消えなかった。
中学からの友達、須和健児(すわけんじ)には、思いっきりバカにされた。
十分分かっている。
簡単に叶えられる夢じゃないことくらいは。
進路調査表を見て、考えこんだ。
だがその時、
後ろから大きなため息が聞こえたのを聞き逃さなかった。