遠野さんに迷惑がかかるのは嫌だった。 その気持ちだけで、十分だった。 だけど、彼女は気が済まないと言った。 僕は、逆に彼女に感謝しているのに…。 久しぶりに彼女と居ると、心から笑えたから。 悩む僕を見て、少し顔を歪めた彼女を見て、 僕は、とっさに、 「英語を教えて」 と頼んだ。