いつもより、早めに学校に到着。
下駄箱で、彼が来るのを待つことにした。
あまり目立たないように、こっそり隅に隠れて待った。
すると、10分後…
大きな欠伸をしながら、椎名くんが登校してきた。
よし。
私は、心の中で意気込んで、椎名くんに声を掛けた。
「おはよう。椎名くん」
「おはよう」
椎名くんは眠むそうな顔をしているが、優しい笑みを浮かべている。
「あ、あのさ…ちょっとこっちに来て」
「え?」
周りにはたくさん生徒がいるので、私は、人気がないとこまで椎名くんを引っ張った。
みんなの前で渡すわけにいかないもんね…
私は意を決して、お弁当箱を椎名くんに差し出した。

