結局、椎名くんは家の前まで送ってくれた。


「ありがとう」

「いいえ。じゃあ、また明日」

「うん。本当にありがとう」




お互い手を振って別れた。



椎名くんの背中が見えなくなるまで、彼を見送った。





**





翌日の朝。



いつも通り、顔を洗って、キッチンに立つ。


お弁当箱をじっと見る。



迷惑かもしれないけど…



やっぱり…




私は、お兄ちゃんが使ってたお弁当箱を食器棚から取り出した。


「よかった。まだ捨ててなくて…。よし」




そうして私は、久しぶりに2人分のお弁当を作った。