「そこまで言われると逆に照れるよ。でも、宇宙飛行士なんて、なれるかな?」
「夢は目標。なれるかなれないじゃなくて、やるかやらないかでしょ?」
「うん…」
「あたし、応援する。椎名くんの夢」
「ありがとう」
椎名くんは優しく微笑んだ。
その微笑みにドキっと胸がなった。
「この空を宇宙から見てみたい。きっと、宇宙からすれば、俺たちなんてちっぽけなんだろうなぁ」
椎名くんは、夕暮れで少し紅くなった空を見上げた。
キラキラ輝いた目。
宇宙を目指すその目は、輝いて見えた。
「あたしも、椎名くん見習わないとなあー」
「焦ることないよ。夢はきっと見つかる。遠野さんはまだその夢と巡り会ってないだけだよ」
「うん。ありがと」
それから、私は椎名くんに英語の発音を教えた。
宇宙飛行士には、英語は必要不可欠だから、教えてと頼まれた。
2人でたくさん、たくさん笑い合った。
先生が声を掛けるまで、時間を忘れていた。