「でも、悪いよ」
「お礼だもん。気にしないで」
そう言っても、椎名くんは申し訳そうな顔をしている。
「でも、朝から…たい…へんだよね?」
「ううん。自分のお弁当作ってるから、1つ作るのも、2つ作るのもたいして変わらないよ?それに、去年まではお兄ちゃんの分も作ってたし」
首を横に振ってそう言っても、椎名くんの戸惑いは消えなかった。
もしかして…あんまり嬉しくない?
迷惑?
しばらく考えていた椎名くんが、よしっと頷いた。
「お礼だったらさ、英語教えて」
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