「お弁当…」
小さく呟いた私に、椎名くんは聞き直した。
「え?」
「椎名くん、お昼はいつも購買部のパン食べてるよね?」
「そうだけど…よく見てるね」
何気なく言ったことだけど、椎名くんの言葉にドキッとした。
彼が友達と昼食を取ってる姿を何度か見たのは確かだ。
でも、それは…なんとなく見ていただけで…。
だから、改めてそんなこと言われると戸惑ってしまう。
「あー…とにかく…パンだよね?」
椎名くんはコクリと頷いた。
「あたし、椎名くんのお弁当作ってくるよ」
「え?」
椎名くんの目が見開いた。
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