席替えから、三日後。
椎名くんは、相変わらず授業中は上の空。
でも、なぜか頭が良く、
私と違って、中間テストの成績はよかったみたいだ。
席替えをきっかけに、椎名くんとよく話すようになっていた。
美保は、びっくりしていた。
美保にとって椎名くんはミステリアスで何考えてるか分からないから話し掛けづらいらしい…。
そしてそんな中、中間テストの数学で赤点をとってしまい、追試になった。
「はぁ…ダメだ」
ため息を吐いて席にうなだれる。
椎名くんが、そんな私を見てフッと笑った。
「追試がんばれ」
「ありがとう。でも、全然自信ないよ。さっぱりわかんないもん」
「どこが分からないの?」
椎名くんが答案用紙を覗き込んだ。
「どこが分からないのかも分からない…」
私の苦笑いに、椎名くんも苦笑い。

