「数学は、数式が分かれば簡単に解けるよ?」
「そ、そうだね…あ、ていうか椎名くん、外ばっか見てたけど、どうかしたの?」
「外っていうか、空見てた」
「空?」
椎名くんは、頷いて窓に視線を移した。
「ちょっと遠くの空に飛行機雲出てたから、明日は雨かぁ…って」
「それ考えてたの?授業中に?」
「うん」
やっぱり…
変わってる。
でも、"うん"と頷いた椎名くんは、キラキラとした目をしていた。
「俺、空が好きなんだ」
「空?」
「うん。数学よりもずっと遥かに」
「比べるのなんか違うでしょー」
私は、思わず吹き出した。

