「椎名くん…」 椎名冬吾くんが、目の前に立っていた。 椎名くんは、なぜか寂しげな顔をして私をじっと見てくる。 「え?何かな?」 私が首を傾げていると、 「…そこ、俺の席…」 小さく呟いた椎名くんは、窓際の席を指差した。 「遠野さんの席はあそこ」 「え?そうなの?もしかして、席替えしたの?」 椎名くんは、小さく頷いた。 「そっか。ごめん」 私は、慌てて席を立った。 椎名くんは、首を横に少し振ると、 「仕方ないよ。遠野さん知らなかったから」 そう言って席に座った。