「着いた。ここ」


バスに乗って少し歩くと、椎名くんの足が止まった。


たどり着いたのは、都内にある科学施設だった。


「宇宙科学センター?」


見覚えある施設だった。


「ここのプラネタリウムが好きなんだ」

「私、小学校の時に1回だけ見学に来たことある」

「俺、月1で来てるよ。宇宙バカだから」


そう言って椎名くんは笑った。



そんな椎名くんにつられて笑ってしまう。

「入ろう。宇宙バカさん」


椎名くんの背中を軽く叩いて、入り口へと歩き出した。