久々だった。 彼女とこうやって話すのは…。 彼女は、僕の隣に移動し窓際を背にして座り込んだ。 「何読んでるの?」 僕が握っていた図鑑に目をやる遠野さん。 「星の図鑑だよ」 彼女に図鑑を渡す。 彼女は、図鑑を受け取るとにっこりと笑った。 「椎名くんらしいね」 僕らしい…か。 彼女は図鑑を開いて、無言でページをめくっている。 僕は、そんな彼女をじっと見る。