試合は、横一線。


相手チームには、千秋くんがいる。



千秋くんにパスが回る。




「千秋くんがんばれー!」


きっと、みんなと変わらないはずの応援なのに、遠野さんの声がやけに響く。



それは僕が変に意識してるからだ。



彼女を見ると、千秋くんを目で追っている。


千秋くんが見事にゴールを決めたから、友達と嬉しそうに飛び跳ねている。




どうしようもないくらいの劣等感。




分かってるはずなのに…




僕が敵うはずがない…と。