「あっち、かなぁ? あの白いマンションかも‥‥。」 住所しか頼りのない俺は、近くまでは来れたものの なかなか美保のマンションが見つけられない。 キョロキョロしながらもまた歩きだそうとした瞬間、 後ろから誰かが近づいてくる足音がした。 「智也‥‥?」 「‥‥‥えっ?」 その声に驚いて、俺は声がした方に振り返った。 こんな所で俺に声をかけてくる人なんて‥‥ 他に思い当たらない。 「‥‥美保!」