俺は、携帯を握りしめたまま男子トイレに駆け込んだ。
トイレの個室に入り、携帯を開く。




「‥‥もしもし!」


『あ、正志!
今大丈夫か?授業中だよな!?』



「あぁ、今抜けてきたから大丈夫。
それよりどうしたんだよ、急に電話なんて」




『大変なんだよ!
俺、なんにも知らなくて‥‥!
いや、みんなも知らなかったみたいだけどっ!』



智也は焦っているようで、
何の話をしているのか俺にはまったく分からなかった。




「えっ?
ちょっと智也、落ち着けよ!

何の話だ!?」