‥‥俺は自転車置き場に止めていた自転車にまたがり、 家まで自転車を走らせた。 夏の夜風はひんやりと心地よかったけれど、 俺の気持ちはとにかく重くて、 俺は自転車のペダルを、 力なくゆっくり、漕いで行った。 「‥‥ただいまぁ」 家に着いて玄関を開けると、 智也がリビングから出てきた。 「遅かったな、正志。 ていうかオマエ、俺の携帯間違えて持ってっただろ!?」