「‥‥ま、それもそうだよな」

「確かにな。
写真とかぱっと見せられると一瞬自分なのかお前なのか分かんねぇもん。

記憶たどって、記憶があれば俺。無ければお前。みたいな」


そう言って俺が笑うと、
智也もおかしそうにへらへらっと笑った。


「あぁ、分かる分かる!」




「けどさ、自分とまったく同じ見た目の人間が居るなんて、
考えてみたら面白ぇことだよな」


「確かにな!
他人からしたら、よっぽど見慣れなきゃどっちがどっちか分かんねぇもんなぁ」






俺がそう言うと、数秒の沈黙のあと、智也は突然立ち上がった。


「どっちがどっちか分かんない、か‥‥」