‥‥家に着くと
俺はただいま、と小さく言ってから
自分の部屋に直行した。


夕飯のいい匂いがしたけれど、
今はあんまり食欲がないし。



部屋に入ろうとした瞬間、
隣の部屋から智也が出てきた。


「‥‥あ、智也」


「おかえり。
今日花火してきたんだろ?
いいなぁ、楽しかったか?」


にこにこっと笑ってそう言った智也に、
俺はゆっくりと言った。


「いや、あんまり‥‥かな。

なぁ、智也。
この入れ替わりの事なんだけど、そろそろ‥‥」



「辞めたいか?」

俺が全部言い終わる前に、智也が言った。