リョウはカバンから、小さな箱を取り出した。 淡いピンクの包装紙で、上から白くて細いリボンが巻かれている。 俺が笑ってうなづくと、 リョウも照れくさそうに笑った。 そして奈々子に向かって言った。 「‥‥渡したいものがあるんだ。 ちょっと、いいか?」 「‥‥え? うん、何‥‥?」 突然のリョウの言葉に、 奈々子は顔を上げ、少し驚いた顔をして言った。