「毎朝よく飽きないよな、兄貴たち」
「学習能力がないバカ達だからしょうがないんじゃない?」
オブラートに包まれた言葉と、嫌味が含まれた声を聞き、階段の方に目を向ける。
「おはよう、サクラ、楓。 珍しいね2人一緒に来るなんて」
オブラートに包んで物を言う私の双子の兄、サクラ。私たちも二卵生双生児だが、性格や考え方は似ていると思う。 まぁ、私の事をよく知っているのも、サクラで、逆に、サクラの事をよく知っているのも私だ。
反対にひねくれた性格の、楓。 じつは照れ屋さんなため、こんな態度をとることを、私だけが知っている。 ・・・ちょっと優越感。
なんて考えていると、いつの間にかサクラはいなくて、目の前には楓だけ。
「ふ~ん、今日の家政婦はサクヤなんだ~」
楓は朝食担当の人の事を、家政婦と呼ぶ。 楓いわく、なんでもやっているから家政婦らしい。 意味分からん。
「・・・別にいらないなら、いいんだよ? サクラは育ち盛りだから、もっと食べれるだろうしね?」
まぁ、楓をからかうのは楽しい。
「なっ!? べ、別にサクヤの作ったご飯が食べれないなんて、だれも言ってないでしょ!
いつも、その、、、お、おいしいし・・・」
はい、デレいただきました!! 我が、弟ながら可愛い!
「ん~っ! かわいいっ!」
こんな可愛い弟を前にして、抱きつかない人はいないと思います、まる
「ちょっ!? サクヤ!!」
毎朝こんなくだりをしているのに、いまだぎゅーに慣れなくて、あたふたしている楓も可愛い!
いつも毒しか吐かない弟の、こんな姿を見たら、きっと皆は驚くだろう。
「えへへへ~~~~」
きっと今の私の顔は緩みまくっているだろう。
「~~~~~っ! サクヤの馬鹿!」
顔を真っ赤にして、怒ってきても、別に怖くない。
いつもより少し長めに楓を楽しんでいると、階段の方から、小さな足音が聞こえてきた。
(もうこんな時間か)
最後の1人が起きてくる時間は大体決まっている。
そしてその子が私を見てとる行動も。
その準備とはいかないが、階段の方向に体を向け、両手になにも持っていないことを確認する。
何かのはずみで、怪我でもしたら困るしね。
そして予想通りと言うべきか、トンッ、ではなく、ドンッと、ふわふわした塊に、頭から突っ込まれた。
