「おはよう、サクヤちゃん」


「おはよう、レイ姉」


レイ姉は一番上の長男で、名前はレイラ。
私はレイ姉と呼んでいるが、ちゃんとした男だ。ただ、幼いころから家事全般をレイ姉がやってくれていたため、お兄ちゃんと言うよりはお母さんみたいだ。


「ごめん、レイ姉今日寝坊して・・・・」


「大丈夫よ、お皿並べておくわね!」


言葉づかいも女みたいだから相談事もしやすい。


「うん、ありがとう。 あ、これもお願い!」


今日の朝食は、ローズマリーチーズオムレツ、バジル風レモンサラダ、ハムと生クリームのフレンチトースト、と洋風づくしだ。


「あら、今日は洋風なのね」


「毎日和食だと誰かさんが拗ねるでしょ?」


「ふふ、そうね、たまにはいいんじゃない?」


なんてことを話しながら、準備を進めると、続々とほかの兄弟達も起きてきた。


「おはよう、良にぃ、優にぃ」


2番目に起きてきたのは、良にぃと優にぃだった。
二人は一卵性双生児で、驚くほど性格が違いすぎる。

良にぃはものすごい女タラシで、優にぃは誠実さをそのまま姿に表したような人だ。


「・・・良にぃ早く席について」


毎朝すぐに私に抱きついてくる良にぃ。充電中なんて言って意味分かんない。


「もうすぐ終わるから、ほら楽にして?」


なんてセリフを耳元で言うからたまらない。


「~~~っ!いいかげんにしなさい!サクヤが困っているでしょう!」


そんな私を助けてくれるのは優にぃだ。 毎朝毎朝ご苦労様です。