高嶺の花




彼の隣に座ると爽やかなシトラスの香りがした。




とりあえずなにか話題を、考えようと思い




ふと見上げた空をみながら





「今日は寒いねぇ。
だからかな、すごく星が綺麗に見える。」





なんて言ってみる。




すると彼の視線も芝生から空へと変わる。




彼はもともと口数が、少ないのか何も話そうとしない。




「夜にこの公園に来ると妙に歌いたくなっちゃうのよね。近所迷惑かなっ」




今度はあははと苦笑いしながら言ってみる。





ここまで何も反応されなかったのは初めてで心が今にも折れそうになる。





もう私帰ったほうがいいかな…




そう考えていると