高嶺の花




彼は慌てて体を起こし私のコートがかかっているのに気づくと




小さな声で「ありがとうございます」と言って私に渡してきた。




「体痛くない?」




こんなに寒い日に、しかも公園のベンチで寝るなんて正直結構キツイと思う。



でも彼は




「えっと…はい。
大丈夫です。ありがとうございました。」




と、下を向いた。