「叫ぶな、バカ。」



木村くんはそう言って私の上から退く。



「ちょっ、なんでまた地味にもどろうとしてるの⁉︎ 」



またメガネとマスクをはめようとしてる木村くんを慌てて止める。




「せっかくこんなかっこいい顔に生まれてきたんだからもったいないよ。」



「は?俺だって望んでこの顔に生まれてきたんじゃねーよ。」


お、俺⁉︎ 木村くん自分のこと僕って言ってたよね?


……なんてことはどうでもよくて。



「木村くん……?」



望んでこの顔に生まれてきたわけではない。確かにそうなのかもしれない。



だけど木村くんの言い方だと自分の顔が嫌いのような感じだった。