「ねー、木村くん、見せてよ。」



「嫌。」



「おねがいっ!」



「嫌。」



「じゃあ…なんでもするから……ね?」



「嫌。」



嫌の一点張りの木村くん。



こうなったら……強行突破だっ!



「木村くん…っ!」



パンを食べ終わってマスクをつけようとしてる木村くんのマスクを奪う。



「ちょっ、返せって!」



そして伸びてくる木村くんの腕をつかむ。でも振り払われる。




「きゃっ!」



木村くんに振り払われた反動でバランスを崩す。



「っ、あぶねっ!」



木村くんが私の手を取った瞬間、



「……あれ……」



「いってぇ……」



背中に来るはずの衝撃がこなかった。