千智の誘いを断ってなければ、

帰り、一緒に帰らなければよかった。



そして千智の家で男子にされたこと全て打ち明ければよかった。



でも今更後悔しても遅い。



「なぁ……最後にもう一度言わせてくれ。」



千智にジッと見つめられる。



「好きだ、真央。」



その表情から千智はもう、イエスかノーかなんて聞く気はない、と読み取れる。



だから変わりに私は、



「ありがとう。」



こんな私でも好きになってくれてありがとう。


付き合ってた日々は本当楽しかった。



そういう意味を込めてそう言った。