矢野 真央 side


そして日曜日。



木村くんが家に来る。



「行くぞ。」



行き先を伝えられず、ただ歩く。



この道は駅に行く道じゃないし……どこ行くんだろう。



そう思ってたら木村くんはある家のインターホンを鳴らした。



「え……いいの?」



「あぁ。」




ある家とは千智の家で、



出てきた千智は驚いている。



「入るぞ。」



木村くんはそう言って私の手を引いて千智の家に入る。



「え、あぁ。って、え?」



いまいち状況が理解できていない千智。