「矢野、帰るぞ。」



「へ、う、うん。」



千智だっけ?悪いことしたと思ってる。


あの瞳は絶対矢野のこと好きだ。しかもマジで。



日曜のことだって、絶対行きたかっただろうけど。



だけど俺には矢野を渡すということは持ち合わせていない。



悪いけど、矢野は俺のだから。



玄関につき、靴を履く。


すると見送りに来てくれた元カレ。



「千智バイバイッ!」



「あぁ……」



切なげに笑うこいつを見て悟る。


会えるのは今日が最後なんだな。