「いいの。あんなやつ、知らないから。」 「そうか……」 それ以上、木村くんは追求してこなかった。 「木村くんっ、海行こっ!」 気持ちを切り替えて海に向かう。 あんなやつのせいで、気まずい雰囲気になるなんてごめんだ。 「お、おぅ。」 木村くんの手をつかんだまま、走り出す。 「でも、俺私服……」 「そんなの知らないっ!水着に着替えなかった木村くんが悪いんだからっ!」 早く遊ぼう。そしてさっきの出来事を消し去ろう。 「ほらっ、早くっ!」 「…ったく、しょうがねえな。」