「おい、待てよ。逃げんのか?」 千智の言葉に一瞬足を止めてしまう。 逃げるんじゃない。もう終わりなんだよ、千智とは。 私と千智は赤の他人。千智が最初に言ったんでしょ? 「おい、真央っ!」 うるさい、うるさい、うるさいっ! 関係ないじゃん。名前を呼ばないで。 あんたなんて、大っ嫌いなんだから。 「矢野、いいのか?アイツは。」 木村くんが心配そうに聞いてくる。