「失礼しました。」



先生に数学のノート提出して職員室から出る。



帰ろうと、靴を取り出すと木村くんと会う。




「あ…木村くんだ……」



木村くんは私に気づいてないらしく、野良らしき猫とジャレあってる。



これがイケメンだったら絵になるんだろうな…。




「木村くん、猫好きなの?」



私がそう言うと木村くんは勢い良くこちらを振り向いて、



「あぁ。可愛い…だ、ろ……」



いつもと口調が違う木村くん。



本人も途中でヤバイと思ったのか止まり止まりになりながら言っていた。




「……矢野さん、猫は可愛いよね。」



いつもの控えめな感じで言って木村くんは帰って行った。