「乗れよ。おぶってやる。どうせ歩けないんだろ?」 悔しいけどすごく悔しいけど、 木村くんの言う通り。 「き、木村くん……足に力が入らないから木村くんの背中にも乗れない。」 背中に乗るには一旦立たなくてはいけない。立てない私には無理なことだ。 「あー、それもそうか。」 そう言って木村くんは立ち上がった。 そして、私の膝下と頭が木村くんの腕にあたり、 「えぇ⁉︎ 」 いわゆる、お姫様抱っこというものをされてしまった。