「ーー矢野、おはよう。」



後ろから聞こえる木村くんの声。



「っ、おはよ……っ…」



木村くんを見ずにそういえば、



「ーー好きだよ。」



誰にも聞こえないような声で木村くんは私の耳元にそう囁いた。



ーーボンッ



一瞬にして赤くなる顔。


そんな私と対照的に木村くんは顔色を変えずに自分の席に戻っていった。



……なによ、私ばっかが恥ずかしくなっちゃって……。



「あんた、顔真っ赤よ。大丈夫なの?」



すぐ隣にいるみっちゃんにも聞こえなかったらしく心配される。



「……なっ、なにもないからっ!」



そう言って私は自分の机に行って伏せる。



ヤバイ、ヤバイ。こんな顔、誰にも見せれないよ……っ!